メトホルミン(自費治療)
メトホルミンは、糖尿病によく処方されているお薬ですが、健康寿命を延ばす効果が示されたことから、現在多くの臨床研究が進められています。
米国立老化研究所による調査によると、メトホルミンを投与したマウスと投与していないマウスを比較して、投与したマウスは寿命が5%延びるという報告があります。
また米国での他の調査では、糖尿病患者と糖尿病患者ではない人を対象としてメトホルミンを投与したところ、糖尿病患者の方が長寿であることが明らかになっています。
これは、サーチュイン遺伝子の活性化、NAD濃度の上昇によるものと考えられています。
その他、メトホルミンは体重減少効果、血管に対する抗酸化作用や、認知症発症率の低下、抗がん活性を高めるという報告もあります。
当院においては、ヘルスケアの一環として、自費診療(自由診療)にてメトホルミンの処方を行っています。
[メトホルミンの副作用]
メトホルミンの主な副作用として、下痢、腹痛、嘔吐などの胃腸障害があります。脱力感、発汗、高度の空腹感などの低血糖症状や肝機能障害などがみられる場合もあります。また重大な副作用として、乳酸アシドーシスがあります。乳酸アシドーシスは体内に乳酸が蓄積され、腹痛や嘔吐などの胃腸症状、筋肉痛や倦怠感がみられ、脱水や過呼吸、昏睡など重篤な症状へ進行する恐れがある疾患です。メトホルミンを服用中に症状がみられた場合には、直ちに服用を中止し、主治医の指示に従ってください。
[メトホルミンを処方できない方]
以下に該当する方は、メトホルミンを処方することができません。予めご了承ください。
● 腎機能障害、肝機能障害
● 糖尿病の方
● 妊娠中、授乳中の方
● 高齢の方
● 乳酸アシドーシスの既往がある方
● 心不全、心筋梗塞などを患っている方
● 高度の心血管障害、肺機能障害など、低酸素血症を伴いやすい状態にある方
● ビグアナイド系薬剤に対してアレルギーがある方
● アルコール依存症の方
● 造影剤検査の前後の方
● 飲水制限、食事制限が必要な手術、検査を受ける方は、主治医に確認してください。
● 利尿作用を含む薬剤を飲んでいる方
● 脱水症、または脱水状態が懸念される方
● 嘔吐、下痢などの激しい胃腸症状がある方
[「メトホルミンについて」未承認医薬品等(異なる目的での使用)]
メトホルミンは医薬品医療機器等法において2型糖尿病の効能効果で承認されていますが、肥満治療目的の使用については国内で承認されていません。
[入手経路等]
国内の医薬品卸業者より国内承認薬を仕入れています。
[国内の承認医薬品等の有無]
国内で肥満治療の効能・効果で承認されているビグアナイド系薬剤はありません。またメトホルミンを一般名とする医薬品は国内では2型糖尿病の効能・効果で承認されておりますが、承認されている効能・効果及び用法・用量と当院での使用目的・方法は異なります。