女性にも脱毛症は大問題。

女性の三分の一以上は、生涯のうちで病的な脱毛を経験しています。
より重要なのは脱毛による精神的影響が皮膚科医により過小評価されていることです。
脱毛症の権威のJerry Shapiro博士の言葉です。

女性の脱毛症で最も多いのは、壮年性脱毛症です。
壮年性脱毛症は、一般的に遺伝性の薄毛又は抜け毛で、ゆっくりと何年もかかって進行し、目立つようになるのです。
普通、頭髪は3~7年程度をかけて太くしっかりと成長しますが、壮年性脱毛症の方ではその成長期が短くなってしまうため、細く短い毛になっています。
早い人では20代から発症することもあり、70歳以上の女性では38%が発症するといわれています。

現在、壮年性脱毛症における発毛効果があるとして、唯一認められている成分は、ミノキシジルです。
ミノキシジルは、1996年、アメリカで初めて頭頂部の発毛に効果のある薬として認可を受けました。
米国では、2%外用液が現在使われています。
日本では、2005年に1%外用液が大衆薬として販売されています。

わが国では、女性の壮年性脱毛症に対して、保険適用になるお薬は残念ながらあまり良い物がありません。
しかし皮膚科医として、病的な脱毛症でないか、ヘアケアの方法、育毛剤や発毛剤などの選択、発毛を促す適切なアドバイスをできることは非常に大事なことだと考えています。

※長崎新聞フリーペーパー「とっとって」掲載■お肌のアンチエイジングより